メッセージ
2020年12月13日 聖書 イザヤ書2:1~5 メッセージ「戦うことを学ばない」望月智牧師
(中心聖句)4節
主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし 槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず もはや戦うことを学ばない。
ニューヨークの国連本部にはイザヤ2:4の聖句が刻まれた「イザヤの壁」があります。これは、第2次大戦の反省から生まれた国連の精神を表しているといえます。
日本でも、戦争の当時は鍋や釜などの生活道具を集めて武器を製造しました。イザヤ書には通常と反対の内容が書かれています。なぜでしょうか?
旧約聖書の中で、ダビデ王とソロモン王の時代は国が栄えていました。しかし、ソロモン王は強引に税金を集めていたため、不満を持った人たちはソロモン王の死後に分離独立しました。こうして北のイスラエル王国と南のユダ王国となりました。北のイスラエル王国は大国のアッシリアによって滅亡し、南のユダ王国にも危機が迫っていました。イザヤ書は、こうした緊迫状態が背景にありました。
預言者イザヤは、南のユダ王国と首都エルサレムについて神から幻を示されました(1節)。
「終わりの日」(2節)とは、文字通り“世の終わり”と“救い主が来る日”を表しています。それは壮大な幻でした。エルサレムの神殿が高くそびえ、多くの民(外国人、異邦人)が集うというのです(3節)。
「主の教えはシオンから 御言葉はエルサレムから出る」(3節)は、小さいもの・弱いものから神の救いが始まることを教えています。
本日の中心聖句である「剣を打ち直して鋤とし 槍を打ち直して鎌とする」(4節)のように戦争の道具を日用品に変えることは、通常とは反対の表現です。ここに命を大切にする神のメッセージが込められています。
「ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう」(5節)は、大国の脅威を感じ“時代の闇”の中にあっても、「主の光」の中を歩むことを教えています。現在は、主イエス・キリストの誕生を待ち望むアドベントの期間です。クリスマスは、“夜の出来事”でした。いかに闇が深くても、小さな光に勝つことはできません。
イザヤは、大国の脅威の中で主にある希望を語りました。現在の私たちは、コロナという先の見えない不安の中で生活しています。“小さいもの、弱いもの”から救いが始まるという神のメッセージを心に留めたいと思います。